「今日は速い?重い?」を見抜く3つのサイン|芝の長さ・散水・含水率の見方

コラム・小ネタ

ということで今回は、
競馬新聞の端っこに小さく書いてあるのに
めちゃくちゃ重要な3点セット――

①芝の長さ ②散水(さんすい) 
③含水率(がんすいりつ)

これを初心者向けにほぐしていきます。
「難しい話はいいから今日の馬場の“重さ”が知りたいんだよ!」って人向けです。


1. “馬場が重い・軽い”ってどういうこと?

ざっくりこう覚えてOKです。

  • 軽い馬場 … 芝が短くて、地面がしまってて、水も少なめ。→ タイムが速くなりやすい、切れ味が出る
  • 重い馬場 … 芝が長かったり、柔らかかったり、水を含んでたり。→ 足を取られてタイムがかかる、パワーが要る

つまり「芝の長さ・散水・含水率」はぜんぶ
地面がどれくらい走りやすいかに影響する要素ってことです。


2. 芝の長さ:短いと速い、長いと重い

芝はゴルフ場みたいに刈って長さを管理してます。で、基本ルールはシンプル。

  • 短い芝 → 踏み込むとすぐ地面に当たる → 力が逃げない → スピードが出る
  • 長い芝 → 葉っぱの層が厚い → 足が芝に引っかかる → ちょっと重くなる

だから「開幕週は速い」って言われるんです。芝がきれいで、まだ削れてないから。逆に開催が進んで芝が伸びたり、荒れてきたりすると、見た目は緑でも実際は走りにくくなってきます。

初心者向けざっくりメモ:

  • 開幕週:芝きれい→時計速め→前も残りやすい
  • 開催後半:芝ちょい重・荒れ→外差しが効きやすくなる日もある

3. 散水:人工的に“ちょい重”にできる

「今日は芝コースに散水を行いました」って見たことありますよね。あれは

  • 芝を傷ませないようにするため
  • 暑い日や乾燥で“ペラペラ高速すぎ”になるのを防ぐため

などの目的で水をまいています。

で、これがやっかいで、同じ晴れでも散水ありの日は少しクッションが入るので、
完全なカチカチ高速馬場よりはちょっとだけ遅くなる
ってことが起きます。

さらに、散水した直後に強い日差しが出ると、表面だけすぐ乾いて、中はしっとりみたいな中間馬場になることもあって、これがまた読みにくい。

なので「晴れてるから速いはず!」って決めつけずに、当日の発表を一回見るクセをつけると精度が上がります。


4. 含水率:どれくらい水を抱えてるかの“数値版”

含水率(がんすいりつ)は、

芝やダートの水分を%で出したもの

ざっくりイメージはこれでOKです:

  • 数字が低い → 乾いてる → 軽い
  • 数字が高い → 水を含んでる → 重い・パワー要る

雨が降ったり散水が多かったりするとこの数字が上がります。

で、含水率が高いと馬が踏み込んだときに力が地面に吸われるので、末脚が鈍りやすくなるんですよね。

だから「今日は差しが届きにくいな…」って日が出てきます。

初心者向けざっくり目安:

  • 低め:時計速い日候補
  • ふつう:展開とバイアスで勝負
  • 高め:重め想定、パワー型・前めも考える

※実際の%は場ごとに違うので
「高くなってるかどうか」だけ見れば十分!


5. この3つが合体すると何が起きる?

ここが本題です。芝の長さ・散水・含水率は単品で見るより“セットで見る”とその日の馬場像が浮きやすいです。

ケース①:芝短め+散水なし+含水率低い

→ ほぼ“高速寄り”。
前半から楽に流れても時計が出る日。

→ スピード血統・瞬発力タイプ好走する。

ケース②:芝ふつう+散水あり+含水率ふつう

→ 見た目はきれいだけどちょっとクッションがあって、スピード一辺倒が止まることも。

→ 距離ロスの少ない内目・先行+長く脚を使えるタイプが安定。

ケース③:芝長め+散水あり+含水率高め(前日雨など)

→ 明らかに“重い日”。差しの脚が鈍る・前が止まるようで止まらない。
→ パワー型・欧州血統・心肺強めの馬を上に取る日。

こう並べて見ると、“今日の馬場は軽い?重い?”っていう疑問が、わりと短時間で答えられます。


6. じゃあ新聞・公式発表のどこを見る?

初心者向けおすすめの順番はこれです。

  1. 馬場状態の発表(良・稍重・重・不良)
    → 最初にざっくり軽いか重いかを拾う
  2. その日の天気・前日雨
    → 含水率が上がってるか想像する
  3. 散水の有無
    → 晴れてるのにちょっとクッションがある日を見抜く
  4. 当日の1〜3Rの時計
    → 実際に速いかどうか答え合わせする

これをやると「公式は“良”だけど実質は“ちょい重”だな」とか「これは完全に前残り高速だな」がわかります。馬場ってけっこう“表記と体感がズレる”ので、最後の“実際の時計”を見るのが大事です。


7. 馬と血統の話をちょっとだけ

せっかくなので、この馬場の重さをどう馬選びに使うかも言っておきます。

  • 軽い芝=スピードが出る日
    → ディープ系、ミスプロ系の“切れる血”がわかりやすく走る
    → 牝馬や小柄な馬でもスイスイ来る
  • 重め・クッション効く日
    → 欧州血統(ハービンジャー、ハーツの母系が重厚など)やパワー型が浮く
    → 前に行っても止まりにくいので、人気薄の先行も拾いやすい

もちろん「絶対そうなる」ではないですが、馬場が重い日に“スピード血統の差しに全ツッパ”みたいなのは危険っていう感覚は持っておくといいです。


8. まとめ

  • 芝が短い → 速いほうに寄る
  • 散水なし&乾いてる → さらに速い
  • 含水率が高い/散水アリ/芝長め → クッションあり=ちょい重
  • 最後は実際のレースの時計で答え合わせ

この順番さえ覚えておけば、

「今日は内の先行が止まらない日だな」
とか
「これは差しが届きにくいから、前目とパワー型でいいな」
とか、買う前に方針を立てられるようになります。

要するに、芝の長さ・散水・含水率って、

その日の馬場が“どれくらい進むか”を事前に教えてくれてるヒント

なんですよね。ここを拾えるようになると、人気馬にただ乗るんじゃなくて、

「今日はこのタイプを上に取る日だ」って自分の答えを持って買えるようになります。

これが一番楽しいところですなのです!!


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