① レース情報
- 日程:1月9日(東京開催日想定)
- レース:東京5R・芝2000m(左)・3歳新馬
- コース傾向:スタンド前スタート→コーナーまでやや距離があり隊列は作りやすい→向こう正面でペースが落ちること多め→3〜4角でペースアップ→長い直線でL2〜L1の持続が問われる
この条件の新馬は「前半からガンガン行く」よりも、スロー〜平均で入って直線でどれだけきれいにギアを踏めるかが重要です。だからこそ“ディープ系の反応+欧州系の下支え”という構成が効いてきます。
② 血統構成
- 父:コントレイル
ディープインパクト直系の中距離万能。2000〜2400での反応の良さ・フォームのきれいさを伝えやすく、2〜3歳前半からレースになる完成度もある。 - 母父:Mastercraftsman(マスタークラフツマン)
デインヒル系の欧州マイラー〜中距離。日本の芝でも走れる“スピードを持った欧州血統”で、パワーと体幹を足してくれるのが特長。緩みやすいラップでも走りがバラけない。
→ つまり、上に日本の中距離で勝ちやすい“軽さとギア”を、下に欧州的な“粘りと形の良さ”を置いた配合になっています。冬の東京2000で一番ほしい組み合わせです。
③ 父コントレイルの出し方と東京2000の相性
コントレイル産駒って「一瞬だけすごく切れる」よりも、L3あたりでスッと加速して、そのままL1まで脚を落とさない形をやらせると強いことが多いです。東京2000の新馬はまさにその“L3でギアを上げてL1で踏ん張る”流れになりやすいので、父の特色が出しやすい舞台。
さらにディープ系にありがちな「冬場でテンションが上がりすぎる」「折り合いが難しい」を出にくいラインでもあるので、初戦から“普通にレースできる”想定をしやすいのもこの血の利点です。
④ 母父 Mastercraftsman がいい仕事をするところ
マスタークラフツマンは、欧州マイル〜中距離で走ってきた“パワー寄りの優等生タイプ”。これが日本で何がいいかというと、
- 道中の緩みに対応しやすい
→ 向こう正面でペースがガクッと落ちても、走りがバタつかずフォームを保てる - 直線の坂でやめない
→ 東京の最後の上りで日本×欧州の“しぶとさ”が出るので、L1の落ち込みが小さい - ディープ系に足りない“押していける下半身”を足せる
→ 父が軽くても、馬体が薄くなりすぎるのを防げる
父がコントレイルで“速く動ける”のに、母父で“つぶれにくい”を足せるので、この時期の2000mで一番怖い「最後に止まる」を避けやすいんですよね。
⑤ コース適性への当てはめ
東京芝2000m(新馬)の実戦イメージに当て込むとこんな感じになります。
- 前半:行きたがる馬が少なくスロー寄り → コントレイル産駒なら無理せず中団
- 向こう正面:ペースが落ちてもMastercraftsmanの体幹で“置かれない”
- 3〜4角:馬なりで進んでいけるので、手が早く動くタイプよりも楽に位置を上げられる
- 直線:L2で追い出すと父のギアでスッと反応 → L1で母父の粘りが効く
要するに「前でどっしり、後ろでしっかり」っていう、初戦で一番勝ちやすいパターンに持って行きやすいわけです。
⑥ 生産・厩舎ライン
1月の東京2000に出してくるコントレイル産駒って、だいたい春の中距離(皐月賞トライアル〜ダービー前後)を見据えた仕上げをしたいラインなことが多いです。
ノーザン系・社台系の育成だとここで一度“芝2000で形になるか”をチェックして、良さそうならそのまま春に寄せる、というルートに乗せやすいので、初戦から「形にしてくるだろうな」と読んでおいていいタイプです。
⑦ まとめ
- 東京2000の新馬は“L3からきれいに加速→L1で落とさない”が勝ちパターン
- 父コントレイルがその“きれいなギア”を、母父Mastercraftsmanが“崩れない体幹と粘り”を担当
- 冬場でちょっとクッションが効く芝になっても、この配合ならパフォーマンスが落ちにくい
- だから1/9の東京5Rは、クオンタムスターを“今週の注目血統”として拾う価値あり
クオンタムスターは、父コントレイルから東京向きの反応と中距離でのゆったりしたリズムを、母父Mastercraftsmanからは欧州的な粘り・体幹・坂でやめないしぶとさをもらっている形で、この“東京2000でほしい要素”を上と下でちょうど分担してくれているのが魅力です。前半は無理せず運んで、3〜4角でスッとスピードに乗って、その勢いのまま直線で一段上げる──このレースで勝ち筋になりやすい動きを素直に再現できる血統だと思いまーす!!



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