競馬を見ていると、「この馬は気性難(きしょうなん)だ」といったコメントをよく耳にします。

暴れたり、レース中に掛かったり、落ち着きがなかったり──そうした性格的な問題が
“気性難”と呼ばれています。
では、その気性難は生まれつきなのでしょうか?それとも育て方によるもの?
実は、血統が馬の性格や気性に影響していることが、競馬の世界ではよく知られています。この記事では、初心者にもわかりやすく「血統と気性の関係」を解説していきます。
気性難って何?
まず、「気性難」とはどういう状態のことを指すのか、簡単に説明します。
- レース前に興奮して落ち着かない
(返し馬で暴れる) - ゲートで立ち上がる・出遅れる
- レース中に行きたがって引っかかる
(=掛かる) - 他の馬を嫌がる、競り合いを嫌う
こうした性格的な問題は、レースで不利に働くことが多いため、競馬では「気性が大人しい馬」「操縦性が高い馬」が評価されやすくなります。
代表的な「気性が荒い」とされる血統
- オルフェーヴル産駒
- オルフェ自身も有名な気性難。掛かる馬が多く、レースで気難しさを見せる子も多いです。
- サウスヴィグラス産駒
- スピードがあって短距離に強いが、前向きすぎて暴走気味になる馬も。
- ナカヤマフェスタ産駒
- スタミナはあるが気性面に難を抱えるケースが多く、扱いづらい面も。
「気性が素直」と言われる血統
- ディープインパクト産駒
- 走りに集中しやすく、操縦性が高い馬が多い。
- ルーラーシップ産駒
- 気性面は比較的安定しており、成長力も高い。
- ハーツクライ産駒
- 成長に時間はかかるが、レースでは真面目で我慢がきくタイプが多い。
ただし、あくまで「傾向」であり、どんなに血統が素直でも、気性難な馬はいますし、その逆も然りです。
気性はレース戦略にも影響する!
血統によって「前に行きたがる」「控えて脚を溜められる」といった性格の差も出てきます。たとえば:
- 逃げ・先行向き:
気性が前向き、スタートダッシュが速い → スピード血統
(例:ミスタープロスペクター系) - 差し・追い込み向き:
我慢がきく、折り合いがつく →
スタミナ型(例:ステイゴールド系)
馬の気性を知っておくと、どんな展開で強いのか、どんな馬場で合うのかを予想するヒントにもなります。
調教師や厩舎も気性を見抜いて育てている
気性の荒い馬をどう扱うかは、調教師の手腕にも関わります。血統的に気難しさがある馬を、じっくり育てて落ち着かせる厩舎もあります。
たとえば:
- ノーザンファーム系の厩舎は、気性面に配慮した育成を重視することで知られています。
- 栗東の池江厩舎や美浦の国枝厩舎などは、気性の難しいタイプでも能力を引き出す手腕に定評があります。
気性を見る=馬券の参考にも!
気性の傾向を知っておくと、予想にも活かせます。
- 雨の日やゲートが荒れる日 →
落ち着いた血統の馬が狙い目 - 距離延長 →
折り合いがつく血統の馬を重視 - 初めての競馬場 →
環境変化に対応できる素直な血統が有利
こうした視点で血統を見ると、単なる能力の比較だけでなく、メンタル面まで考慮した予想ができるようになります。
まとめ:血統で“性格”も見えてくる!
血統からはスピードやスタミナだけでなく、「性格=気性」のヒントもたくさん得られます。馬は動物ですから、性格や気分がレースに与える影響は意外と大きいのです。
「気性が荒いけど能力はある」「気性が素直で成長力がある」──そんな血統の個性を知れば、競馬はもっと面白くなるはず。
ぜひ次のレースでは、血統から馬の性格も読み取ってみてください!
📚この記事は
【血統×適性シリーズ】の一部です
馬場・距離・脚質などを血統で読み解くシリーズまとめはこちら →
【シリーズまとめ記事リンク】
コメント