「上がり1位=勝ち」じゃない!差しが届かない日のチェックポイント5つ

コラム・小ネタ

「上がり最速なのに届いてないじゃん…」って週、ありますよね。
ラップを見たらその馬が一番速い脚で上がってるのに、馬券にはならない。

これ、初心者が最初につまずくポイントのひとつです。

今回はその疑問をほぐして、

「今日は上がり最速の価値が低い日かもな」

って自分で判断できるようになるところまでいきます。順番にいくので、そのまま自分のレースに当てはめてみてください。


1. そもそも「上がり最速」ってなに?

一応おさらいから。
上がり最速=最後の3ハロン(または4ハロン)が出走馬の中で一番速かった馬のことです。
つまり「ラストはこの馬が一番脚を使ってるよ」という意味。

でも、これはあくまで“最後の部分だけ見た記録”なんですよね。

  • 最後だけ速い
  • でもそこまでにロスがあった
  • そもそも届かない位置にいた

こうなると内容は良くても着順は悪い、ってズレが起きます。


2. 上がり最速の価値が高い日・低い日

ざっくり言うとこうです。

  • 価値が高い日:直線が長い・差しが決まる・ペースがそれなりに流れた日
  • 価値が低い日:前が止まらない・馬場が内前・ペースが遅すぎる・直線が短い日

つまり「最後だけ速くても届く環境かどうか」が大事。
なので、上がり最速を見る前に「今日は届く日?」を先に見ろが合言葉になります。


3. 価値が下がるサイン①:スローで前が楽してる

一番シンプルなやつ。
前半が遅くて、先行馬が余力を残したまま直線に入ってるときは、

どんなに後ろが速くても届きません。

イメージとしてはこんな感じ👇

  • 1000m通過が遅い
  • 4角で隊列が詰まってる
  • でも前が手応え十分

→ 後ろは「最後だけバチンと速い」けど、前もそれなりに速いので差が縮まらない。

このときの上がり最速は
「よく伸びたけど展開負けした馬」
として扱うといいです。内容は良いけど着順には直結しづらい日。


4. 価値が下がるサイン②:内前バイアスの日

馬場って日によって「内が伸びる」「外が伸びる」があります。
内前バイアス=内を通った前の馬が有利な日は、後ろから外を回しても

物理的に距離損が出るので、上がり最速でも届きにくいです。

こういう日って、午前中のレースを見れば分かりやすいです。

  • ダートも芝も前が残ってる
  • インを通った馬がずっと粘ってる
  • 外から来ても2〜3着まで

こんな日なら、後ろで脚を溜めて「上がりは最速です!」って馬より、

前で運べる馬を高く取るべき日になります。


5. 価値が下がるサイン③:直線が短い・小回りコース

中山内回り・福島・小倉の一部みたいな直線が短いところは、そもそも「最後だけすごく速い」をやる時間が足りません。
コーナーで動けていた馬や、4角で前にいた馬がそのまま押し切りやすく、後方勢は「いい脚を使ったけど、使えたのは100mだけ」みたいなことが起きます。

つまり、小回りの短い直線では

  • 上がり最速=能力が高い
  • 上がり最速≠勝てる

がとくに出やすい。
そういう日は「どこで仕掛けたか」を重視して、実際の上がり時計はほどほどに見ましょう。


6. 価値が下がるサイン④:進路がないレース

これも初心者が見落としやすいところ。
上がり最速って、“最後だけ進路が空いた馬”が取ることもけっこうあります。

  • 直線の2〜3秒だけスペースができた
  • そこを一気に伸びた
  • 「上がり最速」って記録だけ付いた
  • でも前はもうゴールだった

こういうパターンでは、時計上は優秀でも「再現性が高い上がり」ではないので、次走で同じことを期待するとズレやすいです。


7. 価値が下がるサイン⑤:馬場が重い・含水率が高い

馬場がしっとりしてたり、雨上がりで含水率が高めの日は、そもそも後ろの脚がさほど伸びません

前も遅くなるけど、後ろもそれ以上に伸びないので、
「上がり最速だけど前との差が全然詰まってない」
っていう見た目になります。

こういう日は「上がり何位か」よりも、どの位置でどれだけ粘れたかとか、どの馬がパワーを発揮したかを見たほうが当たります。


8. じゃあ何を見ればいいの?

ここまで読んで「上がりってアテにならんやん!」ってなると困るので、代わりに見るポイントも置いておきます。

① 位置取りとのセットで見る

「後ろから行って上がり最速」なのか
「好位で運んで上がり最速」なのか
これで価値は全然違います。
前めにつけて上がりも速いなら、馬場や展開が変わっても崩れにくいです。

② L2〜L1の“差し込み方”を見る

ラスト1Fでさらに詰めてるのか、L2でしか伸びてないのか。
小回り・短直線でL1までちゃんと差してきたなら価値高め。

③ 同じようにいい脚を使った馬が何頭いたか

そのレースで上がり33秒台が5頭とか出てるなら、それは「レースがそういう形になっただけ」で、個別の馬が特別すごかったわけじゃないです。
1頭だけ抜けて速いときが真に価値が高いとき。


9. 上がり最速を“評価を落として”読む例

こんな書き方をするとスッと入ります👇

「内前有利の日に外から差して上がり1位。ただし展開と馬場に合っておらず、着順も4着。脚そのものは評価できるが、次も外回しなら同じことが起きるので本命にはしにくい」

つまり
“脚そのものは◎だけど、状況がその脚を活かしてくれない日がある”
と切り分けるわけです。


10. まとめ

  • 上がり最速は“そのレースの最後の区間”で一番だったというだけ
  • でもレースはそこに行くまでの位置取り・ペース・馬場の影響を強く受ける
  • 内前・スロー・短直線・含水率高めの日は、上がり最速の価値が落ちやすい
  • 位置取りとセットで見れば、どの馬が“次も走れる脚”を持ってるか分かる

なので、次からはこう考えてみてください。

今日は上がり最速を“そのまま鵜呑み”にしていい日か?
それとも“詰まり補正・馬場補正”をかける日か?

この一歩だけで、「上がり最速だけ毎回買って外す人」から抜けられます。
あとは、当日の馬場(内前か外差しか)とペース想定を先に

見てから上がりを見る癖をつければOKです。


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