① コース & 血統傾向
項目 | 内容 |
---|---|
コース特性 | 右回り・ダート内回り。1コーナーまでの距離が短く先行争いが速くなりやすい。直線は短め(約260m)で“4角の位置”が超重要。 |
スタート位置/ポジショニング | スタート直後にコーナーが来るため、出脚(初速)と二の脚が問われる。好位~番手の“ポケット”確保が理想。 |
ラップ傾向 | 前半3Fが流れやすく、L3~L2での持続加速が勝負どころ。4角でスムーズに回って“惰性+再加速”で押し切る形が王道。 |
脚質傾向 | 基本は先行~好位有利。前半が飛ぶ年は外差しの“ロンスパ差し”が届くケースも。 |
枠順トレンド | 1角が近いぶん内~中枠有利の傾向。外は外々を回されやすくロス増だが、隊列が速く流れるなら外差しの進路取りが嵌る余地。 |
馬場/砂質 | 札幌は含水が入りやすく、パワー×推進力が必要。脚抜きの良い馬場ならスピード能力が直結。 |
血統トレンド(父系) | ミスプロ系(キングマンボ系/Unbridled系)の推進力、ストームキャット系のダッシュ力が好相性。日高の主力ダート血統(ヘニーヒューズ、パイロ、シニスターミニスター等)が走る舞台。 |
血統トレンド(母父・クロス) | サンデー系の機動力やStorm Catクロスで初速&コーナーワークを底上げ。米国スピード×日本的スタミナのハイブリッドがベスト。 |
勝ち筋の型 | ①スタート良→好位イン確保→4角先頭圏で押し切り/②外目で脚温存→L3から長く脚を使う差し。 |
キーファクター | 初速・コーナー機動・4角再加速の三拍子/前半が速くても止まらない燃費/被砂耐性(キックバック)。 |
② 注目血統を深掘り
- ストームキャット系
(例:ヘニーヒューズ)
東京ダ1600mのワンターンで見せる最高速を、2ターンでも引き出せるタイプが札幌1700mで強いパターン。ダッシュが利くうえにトップスピードの“維持”に長ける産駒が多いのが特徴です。 - ミスプロ系
(キングマンボ~キングカメハメハ系、Unbridled’s Song系など)
砂を掴む推進力と好位差しの器用さを伝えやすい系統。流れが速くなっても止まりにくい燃費の良さが武器。 - サンデー系(BMSやクロスでの注入)
コーナー機動力と手前替えの巧さを底上げし、札幌のタイトな回りで減速ロスを抑える役割。
③ 該当馬と評価
【父】ヘニーヒューズ
ストームキャット系らしい初速の鋭さとワンターン能力を伝える血。東京マイルでの“高質トップスピード”を資源に、近年は2ターンでもスピードを落とさない産駒が目立ちます。ペリエールが見せてきた番手〜好位差しの押し上げは、この系譜のど真ん中。
【母父】フジキセキ
母系にはスピードを受け止める体幹の強さと、消耗戦でブレない心肺の余裕を感じさせる配合。サンデー的要素が入ると、札幌のコーナー再加速がさらに噛み合います。
血統評価
- 米国的ダッシュ×日本的ロングスパートの好バランス。
- ワンターン巧者が陥りがちな「2ターンでの減速」を、BMSの器用さで補える構造。
- スピードの“質”は既に証明済みで、1700mでも息を入れ直してもう一脚が使える見立て。
コース適性
- 1角まで短い札幌でも、発馬で遅れず好位ポケットを確保できる脚。
- 3~4角での外からの持続加速が利き、直線短い札幌でも“届かないリスクを軽減。
- 砂を捉えるピッチ寄りの走法で、札幌の砂質・含水でもブレにくい。
実績 15戦5勝
- 東京ダ1600mの高速戦で高いパフォーマンスを示してきたタイプ。
- 海外遠征やタフな流れを経験済みで、消耗戦耐性は既に水準以上。
- 中間の調整過程は“息の入りと終いの反応”を重視。レース週の追い切り時計・ラップは確認後に反映します。
総合評価
- 序盤で置かれない初速+3~4角の長い加速+短直線での押し切り/差し切り。
- 前半が流れても止まらない燃費ともう一脚が使える点が、例年のエルムS像に合致。
- 枠は内すぎず外すぎずが理想(=1角までの難度とロスのバランス)。隊列のカギは外の先行勢の出脚。ペリエールは内目で控えても外から被せられても動ける柔軟性があるのが強みです。
④ まとめ
本命◎ペリエール
札幌ダ1700mが要求するのは“初速→コーナー機動→再加速”の三段活用。米国スピード由来のトップスピードをベースに、日本的な持続と器用さで二段階、三段階と脚を継いでいけるペリエールに適性優位があると見ます。前半が流れてもバテず、4角で自らレースを作れるのが最大の武器。展開が速くなればなるほど、質の高い持続ラップで“最後にもう一押し”を繰り出せるはずです。
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